ふるさとに生きる(久留里) vol.1
2023年10月3日千葉地方裁判所で開廷された行政訴訟の場で、地元にお住まいの方々から証人尋問という形式をとり、それぞれの立場から、「この地に湧く水への想いと、産業廃棄物処分場に対する考え」を語っていただきました。ご本人の了承を得て要約版を掲載します。
なお、来たる2024年5月17日の第23回行政訴訟においては、千葉県の証人喚問が行われます。多くの方に傍聴いただきますようお願いします。
末原正彦様
久留里に移住され、N P O法人を立ち上げて上総掘りの保存に注力されたり、久留里のガイドとして多くの方を案内されています。
Q .ご職業・現在の住所に何時から住んでいますか?
・ほぼ50年前に久留里に移住してきました。
・久留里の最大の魅力は名水の里であり、近くに自噴井戸が多数ありいつでも利用できることです。これが久留里への移住のきっかけとなりました。
Q .地下水の利用について?
・自宅には水道があり、生活水として炊事、風呂、洗濯等は水道水を使用しているが、コーヒー及びお茶などは味を楽しむために自噴井戸の地下水を使用しています。
・2019年の台風による1週間ほど続いた断水時は近くの井戸水を飲料用等生活用水として使用していました。久留里地区の多くの方々が断水時、自噴井戸の水を使用しており、災害時の生活水確保に大変貢献していました。
Q .上総掘りの保存活動等について
・NPO法人を立ち上げて、上総掘りの保存のために借りた田んぼに設置した上総掘りの井戸で体験してもらうなどの活動を行っていました。
・ボランティアガイドとして、久留里城・自噴井戸群・多くのお寺等に観光客を案内して久留里の魅力を説明しています。昨年(2022年)は新型コロナの影響で観光客が少なくガイドを行ったのは600人程度でしたが、今年は昨年の数倍の方々が訪れている。
Q .本件処分場に対する思いをお聞かせください
・本件処分場については第Ⅰ期処分場の計画・建設が始まったころに知りましたが、最初に”なぜこんな所に廃棄物処分場を造るのか”との思いであった。これをきっかけに、「御腹川と久留里の水を守る会」で環境保全活動を行うようになった。
・本件処分場の建設にあたって、事業者や県担当者から安全で汚染水の漏洩は無いとの説明がなされていたが、平成24年の漏洩事故等トラブルが度々起こり、心配していたものが現実となってしまったと感じています。
・積み上げられた土堰堤の内部に埋め立てられた廃棄物の山の中には上部まで水が溜まっていると聞いている(第Ⅰ期処分場)。このゴミの山が何時崩れるか心配しています。
・埋め立てられた廃棄物が崩壊すれば、井戸水や、河川水が汚染され小櫃川の水を水源としている君津地区の水道水が汚染されるため壊滅的な被害が発生してしまいます。
【裁判官より】房総半島の地層は水を通す砂質層が山から傾斜して久留里地区に達し、この水が上総掘り井戸で自噴しているのですか
・久留里地区の地下水は、本件処分場のある小高い山の方につながっている地層の砂質層を通って流れています。
・廃棄物処分場から汚染水が漏れれば久留里の地下水は汚染されることとなると考えています。
【裁判官より】隣家の井戸水は飲み水として使用しているのですか
・隣の家の井戸水は保健所による飲料水として適合しているか判断するための水質検査が行われていないため、現在は飲料用には使用していない。飲料用の水は久留里駅前の水くみ広場の自噴井戸の水を使用しています。
以上
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